The Study of Bag End

パランティーアは何を意味するのか

パランティーア

パランティーアは「遠くから見張るもの」を意味します。これはエルフ語のうち上のエルフの言葉クウェンヤ。なお、パランティーアは単数形。複数形ではパランティーリになります。

パランティーアが騒動の元になったのは第三紀の末、指輪戦争の時のことですが、もともとはサウロンが用いるような道具ではなかったのです。映画だけ見ていると何のためにこの視る石が存在したのかがよくわからないと思いますが、トールキンは見事に歴史に編み込みました。これは第三紀の中つ国に存在するもののうちでも、由緒のあるものの一つ。だからこそクウェンヤ名を持つのですね。パランティーアの正当な持ち主が誰であるかが、ある意味で中つ国の命運を分けたともいえます。

パランティーアの語根

palan
あまねく
tir
見張る、監視する

palan の語根は、ヌーメノール王のタル=アルダリオンによって建造された船「パラルラン」(Palarran)の中にも見られます。意味は「遠くさすらう者」。また、謎の多いままの青の魔法使いのために用いられたパルランド(pallando)にもありますね。

tir は、ミナス・ティリス(Minas Tirith)にも見られる語根です。さらにはヴァリノールにはティリオン(Tirion)という都がありますが、いずれも共通の語根です。

References

  • J・R・R・トールキン(著) クリストファ・トールキン(編) 瀬田貞二、田中明子(訳)『新版 シルマリルの物語』 評論社 2003年 「クウェンヤ語及びシンダール語の固有名詞を校正する主要部分」 510、513、542頁
  • J・R・R・トールキン(著) クリストファ・トールキン(編) 山下なるや(訳)『終わらざりし物語』(下) 河出書房新社 2004年 第四部 Ⅲ「パランティーア」、索引
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