「サファリ・オブ・ザ・シーン」で行くグレノーキー 中つ国のロケ地めぐり
はじめに
ニュージーランドのクイーンズタウンを訪れ、ノマド・サファリ社(Nomad Safaris)が催行するガイドつきツアー「サファリ・オブ・ザ・シーン」に参加してきました。この記事は、2017年1月に、ワカティプ湖岸を北上してグレノーキーへ向かうガイド付きツアー(以下グレノーキー・コース)に参加した体験記です。
グレノーキーは素晴らしいところです。『ロード・オブ・ザ・リング』ファンならずとも、もしこのツアーに参加しなくとも、クイーンズタウンを訪れたからにはグレノーキーにも足を運んでいただきたい。都会より自然派の人には、特におすすめの場所です。

晴れるとこれほど青々とした空が広がります。でも、このツアーに参加した日は曇天とパラパラと小雨、時々雲の間から陽が差すというお天気でした。
大の『ロード・オブ・ザ・リング』ファンでアルウェンがごひいきというツアーガイドさんに連れられ、ドライブ中も参加者で作品の話で盛り上がりました。
概要
巡るスポット
ノマド・サファリ社のWebサイトに掲載されているスポットを、ツアーガイドさんに案内していただいた順に変更しました。
- Misty Mountains – 霧ふり山脈
- Refugees of Rohan – ローハンの避難の道中
- Battle of the Wargs scenes – ワーグとの戦闘シーン
- The Battle of Amon Hen/Seat of Seeing – アモンヘン・
- Ithilien Camp – Oliphants scene – イシリエンの野営地・オリファントのシーン
- Isengard – アイゼンガルド
- Lothlorien forest – ロスロリアンの森

このツアーで巡る撮影地について
ワカティプ湖の湖岸から
霧ふり山脈として使用された独特の雰囲気を醸し出しているリマーカブル山脈。その手前にある小高い丘のディア・パーク・ハイツは、『ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔』(第二部)でローハンの人々がヘルム峡谷へ避難している道中や、サルマンが放ったワーグに乗ったオークによる急襲を受けたシーンが撮影されました。

リマーカブル山脈とディア・パーク・ハイツはワカティプ・コースで見せてもらうほうがもっと大きく見えますが、いずれも現地までは行きません。
トゥエルブ・マイル・デルタ
トゥエルブ・マイル・デルタ (Twelve Mile Delta) はクイーンズタウンからほど近いキャンプ場です。
北側には山々が迫り、南側には湖が広がる、自然の美しい場所です。トゥエルブ・マイル・デルタで撮影されたのは、オリファントのシーンというとわかりやすいでしょう。ハラドリムが美しいイシリエンの森を、南方からモルドールへ進軍するさまと、彼らが連れたオリファント(じゅう)が描かれます。
しばし散策路を歩いて見晴らしのいいところに着くとツアーガイドさんが「山の稜線が同じでしょ」と言ってスクリーンのキャプチャを見せてくれます。


フロドとサム、ゴラム(ゴクリ)がここで野営をしますが、トゥエルブ・マイル・デルタは偶然にもキャンプ場なんですよね。ゴラムが兎を捕まえてきて、サムがおいしいシチューを作ってくれるのです。せっかく作ったのに、彼らは食べていないんですよね。映画でもフロドが味わって少しでも癒やされるシーンが見たかったものです。

トゥエルブ・マイル・デルタからもときたほうへ視線を移すと、アモン・ヘンのシーンの撮影をしたクローズバーン(Closeburn)の高台が見えます。アモン・ヘンの「視る椅子」が置かれた場所のロケ地なので、背景をよくみるとネン・ヒソイルとしてワカティプ湖が写っているのが見えます。

ネン・ヒソイルの湖岸でフロドとサムがボートに乗っているシーンなどの撮影は、クイーンズタウン近郊ですがまた別の場所で撮影されています。いろんなところで撮影してシーンをつなげていることが、ロケ地めぐりをしているとわかります。映画スタッフさんも俳優さんもすごいなぁ。
映画ではフロドははからずもこれに座り、サウロンの御目のクローズアップに遭遇します。また、アラゴルンが一人ウルク=ハイたちと戦闘を開始して、レゴラスとギムリが加わったのも、クローズバーンがロケ地です。
グレノーキーのパラダイス
グレノーキーのタウンを通り抜けてさらに山並みに近づき、パラダイスへ。
パラダイスって地名なんですよ。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の特典映像を見て、映画スタッフたちが「パラダイス」とよく話してるのを耳にしていましたけど、ここはまさにパラダイスです。名付けた人はよくわかっていますね。
このツアーの一番の見どころはここではないでしょうか。絶景です!

ここでしばし撮影タイム。ツアーガイドさんに写真を撮ってもらったり、思い思いに風景を楽しみます。
そこからわずかに視線をそらしたところに、『ホビット:竜に奪われた王国』でビヨルンの家の撮影地(ロケ地)があります。地面が隆起しているあたりですね。映画の撮影中にロケがメディアに発覚しないように隠すのがたいへんだったとか…そういう話を聞きました。

パラダイス周辺の森
最後に道を少し戻ったところで、道からすぐの森の中へ。降車してお茶とおやつの時間です。
ガンダルフに替わりアラゴルンが案内役になってすぐ、ロスローリエンの森に入ったあたりや、ガイドさんからは聞きそびれましたが、アモン・ヘンの斜面のシーンはこのあたりで撮影したのではないかと…まさにここというわけではなさそうですが。イアン・ブロディ氏のガイドブックを見ると一緒に書かれていますね。

ガイドさんがプロップレプリカなどを用意してくださるので、ここでも撮影タイムです。ひとしきり休憩したら、クイーンズタウンに戻って終了です。ワカティプ湖と山並みを見ていると移動時間もまったく退屈しません。
このツアーをおすすめしたい人
「サファリ・オブ・ザ・シーン」に共通することですが、ニュージーランド北島のホビット村(ホビトン)のように撮影セットが残っている場所がないことを留意しておいたほうがいいかもしれないです。ニュージーランドの自然の景色から中つ国(ミドル・アース)を感じ取りたい人、映画を何度も見て景色に憧れた人は、特に楽しめるツアーだと思います。
他コースとの比較
三種類ある「サファリ・オブ・ザ・シーン」ですが、他のアクティビティでグレノーキーに来る機会がないのでしたら、こちらのコースをおすすめしたいですね。理由は写真を見ていただくとわかるのではないかと…!でも、もちろん比べてみて気になるほうに行ってくださいね。
ワカティプ・コースは、グレノーキー・コースとは全然違うので、両方行っても楽しいです。目玉としてはオフロード走行もあってスリルがありました。どちらも楽しいです。時間を確保できる方は「Full Day Lord of The Rings」でもいいと思いますよ。
予約方法
ノマド・サファリ社の公式サイトから申し込みができますが、クイーンズタウンのアクティビティのブッキング(予約)は日本語対応してくださるQBookがおすすめです。私たちもたいへんお世話になりました。
- グレノーキー・コース – ノマド・サファリ社(Nomad Safaris)公式サイト(英語)
- Full Day Lord of The Rings – ノマド・サファリ社(Nomad Safaris)公式サイト(英語)
- サファリ・オブ・ザ・シーン | 映画「ロード・オブ・ザ・リング」ロケ地&四駆ツアー – Qbook
おすすめの持ち物
- スニーカーやトレッキングシューズなど歩きやすい靴(舗装されていない道に出ることがあります)
- 防水のアウターなどのレインウェア
- Ian Brodieさんの「Lord of the Rings Location Guidebook」、「The Hobbit Trilogy Location Guidebook」などのロケーションガイドブックを持って行くと、ツアー中にツアーガイドさんに質問しやすいです。
- 湖岸のドライブはカーブが多いので酔いやすい方は酔い止めを