LOTRサントラ好き必携アプリ『The Music of Middle-earth』
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のサウンドトラックは、物語に広がりと深みを与えています。単独で聴いても楽しめる音楽作品です。リリースから10年以上経ちますが、サントラを日常的に聴いている方はまだまだ多いのでは?
作曲を担当したハワード・ショア氏がどのようにサウンドトラック(以下、サントラ)を制作したのかは、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の各エクステンデッド・エディションの特典映像で紹介されています。彼はライトモチーフをいう手法を用いて、物語の展開や種族、キャラクターを表現しています。どの音楽が何に該当するかはダグ・アダムス氏著の解説書『The Music of the Lord of the Rings Films』が詳しいです。
ですが、解説書のページをめくりながら音楽を聴くようなことは時間のある時にしかできないですし、分厚いこの本をいつも持ち歩くわけにもいきません。
それでいつもお世話になっているのが『The Music of Middle-earth』というアプリ(ソフト)です。『ロード・オブ・ザ・リング』のサントラ研究には欠かせません。アプリのサイトに記載のある通り、一部はファンサイトからの情報引用などの独自研究も含まれるので注意してください(モチーフ名か経過時間に「*」が付与されてわかるようになっています)。
デスクトップ版はWindowsとMac、モバイルはiOSがあります。非公式ですがユーザーが所有する音源を利用するので、問題ないでしょう。逆にいうと、自分で音源を所有していないと動きません。『ロード・オブ・ザ・リング』のサントラは、劇場版(OST)と完全収録版(コンプリート・レコーディングス)がありますが、とりあえずどれか一つでもアルバムを持っていれば試せるので、ぜひ入れてみてください。
※アプリに対応させるためにいくらか設定が必要です。公式サイトの案内にしたがってください。
アプリの機能について
このアプリ『The Music of Middle-earth』は、大きくわけると二通りの使い方があります。
- サウンドトラックを聴きながら、その時流れているライトモチーフ名を確認する
- ライトモチーフ名から、サウンドトラックの各部分にアクセスする

サウンドトラックを聴きながら、その時流れているライトモチーフ名を確認する
通しでサントラを聴いている時に、今流れている音楽のモチーフが何なのかを確認できます(上記キャプチャの右画像参照)。音楽によっては、特に細かく編集されている『王の帰還』のサントラなどでは、目まぐるしくモチーフが入れ替わるのでこれを見ながら聴くだけでも楽しいですし、映画に新たな発見が見つかるかもしれません。
iOS版の場合、音楽再生の純正アプリ「ミュージック」で再生中の音源も認識してくれるところが便利です。
ライトモチーフ名から、サウンドトラックの各部分にアクセスする
上記キャプチャの左画像にライトモチーフの一覧が表示されています(このアプリでは「Theme」と表記されています)。それをクリックすると、そのライトモチーフが使用されている部分だけを再生してくれます(上記キャプチャの中央画像参照)。
一つのライトモチーフが作品中でどう変奏されているのかなど、移り変わりや違いをたどることができます。
前述の『The Music of the Lord of the Rings Films』をお持ちでない方も、どれだけのライトモチーフがこの作品を支えているのかをぜひご覧になってみてください。
余談ですが、このライトモチーフを理解していると、『ホビット』三部作とのサウンドトラックの関連も見つけられるようになります。例えばドワーフのテーマの『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』の関連は以前、「LOTRから「ホビット」でテーマに発展したモチーフ」で紹介しました。
『ホビット』のほうもサントラ解説書が出版されて、ここまで細かに分析できるようになるのが楽しみです。ダグ・アダムス氏は執筆は終えているそうなので、今は出版されることを願って待つ他ありません。