The Study of Bag End

ファーザー・クリスマスからの手紙がはじまって100周年

3歳になったばかりの長男ジョンへ宛てて、はじめてトールキンがファーザー・クリスマスとして手紙とイラストを送ってから、今日で100周年。1920年12月22日の出来事でした。この習慣は、ジョンがファーザー・クリスマスについて父に、どんな姿で、どこに住んでいるのかと尋ねたことをきっかけに、第四子で末娘のプリシラが14歳になる1943年まで、毎年続きました。

ここに引用したフランス国立図書館(BnF)のツイートが、1920年に送られたイラストです。
BnFでは、2019年10月から2020年2月までの間、『Tolkien, Voyage en Terre du Milieu』(日本語訳『トールキン:中つ国への旅』)と題したトールキン展を開催していたので、そのプロモーションのツイートです)。

今年秋、イギリスやアメリカでは、この100周年を記念する新しい『Letters from Father Christmas』がリリースされました。日本語版はこれより前の版が底本になっていますが、『サンタ・クロースからの手紙』amazon.co.jpと『ファーザー・クリスマス―サンタ・クロースからの手紙』amazon.co.jpでトールキンがファーザー・クリスマスとして子供たちに宛てて書いたユーモラスな手紙を読み、絵を見ることができます。

ファーザー・クリスマスからの手紙は、子供たちが成長するに連れ、手紙やその中で綴られる出来事、イラストがより豊かな世界になっていきます。子供たちへ向けたまなざしや楽しませようという、父親としてのトールキンの顔が想像できるようです。また、トールキンの物語作家としてだけでなく、カリグラファーとしての、イラストレーターとしての力量が思う存分発揮されています。

ここからは話題が少しそれますが、数日前に「Aubusson tisse Tolkien」プロジェクトが進むフランス・オービュッソンの Cité internationale de la tapisserie のSNSアカウントで、1928年のクリスマスのイラストを元にしたタペストリーを紹介していました(約1分20秒、フランス語)。これは昨年末に完成のお披露目がされた作品です。

「Aubusson tisse Tolkien」はファーザー・クリスマス以外の題材でも制作されていますが、このさらに前の年にも1926年のイラストをベースにタペストリーが制作されました。

先程の動画の投稿によると、「Aubusson tisse Tolkien」のタペストリーの新作が2021年1月中旬に完成する予定だそうです。ファーザー・クリスマスのタペストリーは今年パリで見られませんでしたが、いつかオービュッソンへ行って全作品を鑑賞したいものです。