フランスのトールキン展レポート

2019年秋から約4ヶ月間、フランス国立図書館で『Tolkien, Voyage en Terre du Milieu』(日本語訳『トールキン:中つ国への旅』)が開催されました。この展覧会は、2018年にボドリアン図書館(オックスフォード)、2019年にモルガン図書館(ニューヨーク)で開催された『Tolkien: Maker of Middle-earth』の巡回展です。
フランスでの展覧会は、タイトルが違うことからもわかる通り、企画が刷新され、ボドリアン図書館のコレクションに、マーケット大学図書館が所蔵するトールキンの原稿が多く加わり、最大規模1のトールキン展覧会となりました。
このレポートは、幸運にもパリ滞在日程が重なった丸面チカさんとトールキン展を鑑賞したときの振り返りです。二人ともオックスフォードでの展示も鑑賞済み。丸面さんはニューヨークでの展示も鑑賞、訳あって開催期間中に二度目の渡仏でした。
- 時期
- 2019年10月22日〜2020年2月16日
- 場所
- フランス国立図書館 フランソワ・ミッテラン館
- 鑑賞日
- 2020年1月26日(現地時間)
展覧会レポート
この会場内マップの原版は、トールキン・コレクターズ・ガイドのジェレミー・エドモンズさんたちが作成した Tolkien: Voyage en Terre du Milieu Exhibition Map and Guide です。ジェレミーさんには、転載の許可をいただいたばかりか、日本語版の地図まで作成していただきました。ご厚意にお礼を申し上げます。
The Courtesy of Jeremy Edmonds, et al.
- 丸面チカ
- 二人で見る前日に鑑賞中、閉館時間が近づいてきたときにスタッフさんに「明日10時から開きますか?」と訊いたら「10時からだけど早めに来たほうがいいよ、たくさんの人が開館前から並んでるから」と言われたので30分前に待ち合わせました。
- Sayawen
- すでに並んでいる人たちが10人くらいいましたね。その後もどんどん増えて、開館する時にはけっこうな行列になっていましたよね。
- 丸面チカ
- 二人とも事前に図書館の年間パスを作っていたので、スムーズに入ることができましたけど、荷物をクロークに預けている間に最初の部屋はいっぱいになっていました。Sayawenさんの年間パスはトールキン展仕様にされたんですよね?
- Sayawen
- 先に年間パスをつくられていた丸面さんから伺って、受付の方にトールキン展仕様にしてほしいとリクエストするつもりでいました。やり取りしている間にお願いするタイミングを失って(笑)。でもきっとトールキン展を予約していたの見て、この年間パスにしてくださったんだと思います。チャーミングなお方だったのでこちらもニコニコしていたら、その場でさっと撮る証明写真もそのまんまの顔で…旅のいい思い出になりました。
© The Study of Bag End
トールキン展仕様の年間パス - Sayawen
- 展覧会は、混雑の合間をぬって作品の前でじっくりおしゃべりしながら進んだので、一人で見た時よりもじっくり見れました。最初のエリアは、この展覧会を見に来る人なら誰でも知っているであろう、『ホビットの冒険』や『指輪物語』に関連する展示からはじまっていましたね。
- 丸面チカ
- オックスフォードでも展示されていた『ホビットの冒険』の表紙や、挿絵画家のポーリン・ベインズさんの質問に答える教授の書き込みがある中つ国地図2がありました。
✒️🗺️"Tolkien, écrivain-géographe" : une jolie chronique de l'exposition Tolkien à lire dans le nouveau @JDAofficiel sorti aujourd'hui : https://t.co/q6gdTEl8xZ#ExpoTolkienBnF, jusqu'au 16 février : https://t.co/WAc8yTF7Ff pic.twitter.com/7lsnx52hj5
— Bibliothèque BnF (@laBnF) January 31, 2020
- Sayawen
- 教授が「ホビット村はオックスフォードの緯度と同じあたり」と鉛筆で薄く書いているのを丸面さんが見つけてくださって、冒頭から大盛りあがりしました。進んで行くと「ビルボ、いかだ乗りのエルフの小屋にやってくる」3のタペストリーが飾られていて、とても豪華な展覧会だってこのあたりからすぐに感じられました。
- 丸面チカ
- ちゃんとタペストリーの元になった原画と並べてあるので見比べやすいんですよね。何とも贅沢な仕様でした。タペストリーはフランスのオービュッソン国際タペストリー研究所が制作していて、元の原画はオックスフォード大学のボドリアン図書館やマーケット大学が所蔵しているので、並べて展示されるのは次いつになるのか…。
- Sayawen
- トールキンの絵を改めてじっくりと見る機会を与えていただきました。「ここ、教授はこんな風に描いていたんだな」とか原画を見ながら比べられる機会なんてそうないですからね。この展覧会に出品されたタペストリーは全体の一部分なので、いつか他作品も見る機会があったらいいなと思います。
- 丸面チカ
- タペストリーといえば、去年ル・トロネ修道院でクリストファーさんがご覧になった裂け谷のタペストリーそのものを会場で観たときは、クリストファーさんが1月16日にお亡くなりになって間もないこともあり、すごく感動しました。
- Sayawen
- 展覧会の終盤はクリストファーさんに焦点を当てていたことは、展覧会としても思いがけないことだったのでしょうけど、クリストファーさんの功績をこのタイミングで振り返ることができたのも、パリまで足を運んでよかったと思うことの一つです。
動画で見られるのは、ファンが目にすることのできるクリストファーさんの最後のお姿ですが、その時にご紹介してくださったエピソードにある作品を目にしたときにはいろんな気持ちが込み上げてきました。その裂け谷も、さまざまなバリエーションでトールキンは描いているんですよね。 - 丸面チカ
- 初期のバリエーションの一つでは裂け谷が全然エルフの隠れ家っぽくなくて、随分開けた中流の河岸段丘っぽいところにあるんですよね4。サウロンから丸見えな構図の絵とかも(笑)。最終的に、より上流の地形であるV字谷にひっそり館が建ち川に橋がかかり橋に向かう階段があり…と細かく描かれていて5、また地形もよく考えられていたことも分かって見飽きません。
マザルブルの書も楽しかったですね。 - Sayawen
- トールキンは『指輪物語』にマザルブルの書の挿絵を入れたかったんですよね。6それで一生懸命それらしく見えるように血の跡や焼け焦げた跡などのダメージ加工までしてる。オックスフォードでの展示は清書のみでしたが、今回はずらーっと習作と清書の両方が並んでいて圧巻でした。7
- 丸面チカ
- 習作でも焼け焦げた跡になる予定の部分は点々にしてあったり、オーリが最期力尽きてひきずるように書いたエルフ文字「今ヤカレラ至レリ」も何度も裏紙で練習したりされているんですよね。
- Sayawen
- 筆跡を練習しているのを見て、教授は役者だなとニヤリとしました(笑)。
- 丸面チカ
- スマウグの死の場面のスケッチ8も、ドゥリンの日が新月なのだから満月でなく三日月でないといけないと描き直したり、左胸の欠けた鱗を狙うには弓屋隊がこの場所にいるべきと矢印でメモを書いたりしているんです。
- Sayawen
- こうして作品にリアリティをもたせていくんですね。
- 丸面チカ
- ガラドリエルの奥方からの贈り物の場面の草稿も美しかったですね!
- Sayawen
- その草稿は『中つ国の歴史』シリーズ(未邦訳)でクリストファーさんが紹介してくださっているんですよね。奥方がサムへ贈る小箱のルーン文字を鉛筆で描き出した装飾は個人的にお気に入りだったので、生原稿を拝めてうれしかったです。マーケット大学のコレクションがたくさん展示されていてなんとも贅沢でした。
- 丸面チカ
- フランス語のキャプションや解説が読めない分、生原稿に集中して読むことができました。Sayawenさんは丁度『中つ国の歴史』の『指輪物語』の草稿を読まれているんですよね。今回見られた生原稿の中で、これは!と思ったものはありましたか?
- Sayawen
- 『指輪物語』に関する展示はどれも興味津々だったので、これと決めるのはたいへんですね。でも、馬鍬砦9やミナス・ティリス10などは原稿の途中などにも繰り返しスケッチをしていて、画家としての腕前はトールキンの創作を支えていたんだなと改めて実感しました。中つ国の地図は何度も描いている様子でしたよね。
- 丸面チカ
- 『ホビットの冒険』のスロールの地図11は割と距離感が曖昧なんですが、『指輪物語』や『シルマリルの物語』を書くために描いた地図は自分で方眼を引いたり12、後には方眼紙を使ったりして13、距離や日数を考えた形跡がありました14。
- Sayawen
- 作品からも十分伝わってきますけど、几帳面ですよね。
- 丸面チカ
- ヌメノールの島の地図15でも岬の高低差や船が停泊しやすそうな港などがよく考えられていておもしろかったです。中にはゴンドールやモルドール16の鳥瞰図もありました(サウロン目線?)。アイゼンガルド17も色々ありましたね。
- Sayawen
- モルドールの他に裂け谷もあったんですが、鉛筆だけで地形の鳥瞰図を表現しているところ、おもしろいなぁと思いました。そういえば丸面さん、地図をご覧になりながら「トールキンは戦時中に地図の訓練を受けた」とおっしゃっていましたよね。
- 丸面チカ
- ジョン・ガースさんの本に、第一次世界大戦に赴く前、暗号解読やモールス信号の訓練とともに地図を読む訓練をした18とあります。戦地でも地の利の大切さを実感したはずです。それが地図を作ることにもつながったのではないでしょうか。
- Sayawen
- 1920年代に書かれたシルマリルの物語の最初の地図19では鉛筆で等高線を引いたり、木も記号のような印象を受けたので、その話は納得がいきます。何ヶ所にも渡って「Orc-raids」と記されているところにも、戦争の生々しい印象を受けました。
丸面さんはオックスフォード、ニューヨーク、そしてパリとすべてご覧になりましたが、この一連の展覧会で関心を持ったのはどんなところですか? - 丸面チカ
- WWⅠとの関連でしょうか。ニューヨークに行ったのは『トールキン 旅のはじまり』の全米公開初日の5月10日だったんですよね。ジョン・ガースさんの本は所々読んでいたんですが、やはり観る前に読んでおきたいと思ってやっと通読できたのが行きの機内でした。そのため『シルマリルの物語』にもつながる”The Shores of Faery”(1915)20が描かれた日がまさにその5月10日で驚いたり、またオックスフォードとニューヨークで展示があった、親友のジェフリー・B・スミスからの手紙(「僕が言おうとしたことを、僕がこの世にいて言うことができなくなったずっとあとに、君が言ってくれますように」)21に胸を打たれたりしていました。フランスでも展示されていたおどろおどろしい絵もその若いころのスケッチブックからですよね。
- Sayawen
- 日付が一致すると、どことなく偶然ではないような気がしますよね。
わたしはまだ読んでいる途中ですが、ガースさんの伝記は冒頭から興味深いです。「The Book of Ishness」に描かれた絵は、2019年の伝記映画でも少年時代のトールキンが描くシーンが印象的です。実際はオックスフォードに入ってからはじめたスケッチブックなんですよね22。映画のあのシーンはその「萌芽」を描いたものだと解釈しています。
そういえば、パリではスミスのあの手紙はありませんでしたね。全体的な構成も、友人よりもご家族とのつながりに光を当てたように感じました。その中で印象的だったことの一つは、トールキンのお母さん、メイベルさんの10代の頃の絵が1点展示されていたことです。とっても素敵でしたよね。 - 丸面チカ
- 素敵でしたね~!白いカラーリリーの花の絵でした。メイベルさんのスケッチブックを製本したみたいで、そのうちの1ページが展示されていました。メイベルさんの手紙の字もトールキンの字によく似ていて、絵やカリグラフィーが得意なのは母方のサフィールドの血なのかなと思いました。クリストファーさんが本に署名された字も、几帳面で洗練された感じがしました。
- Sayawen
- トールキンの母方のおじいさんも手先が器用だったそうで23、その血が受け継がれてきたものがあると感じられましたね。トールキンはお母さんの教えを大切にしていたんだろうなとも思います。
クリストファーさんといえば、もう一つ特筆すべきはトールキン教授の使っていた机の上に置かれていた、色鉛筆の缶の蓋に「CRT JRRT」と二人のイニシャルが書かれていたことですね!丸面さんが見つけてくださらなかったら、見逃していました。 - 丸面チカ
- うわあ、なんて仲の良い親子なんだ!って、ガラス越しに読めたときに萌え転がりそうな勢いでした。使いかけの色鉛筆がたくさん詰まってましたけど、あれを使って親子で並んで書いたのかなと思わずにいられないです。クリストファーさんが子供の頃に描いた絵がとりまくトールキンの原稿もありました。
- Sayawen
- 確実に萌え転がります。ショートブレットの空缶を使いまわしているところから、イギリスの人の生活感も伝わってきました。何色の色鉛筆が短いんだろう?とか、思わずじっくり見ちゃいましたよね。
- 丸面チカ
- オックスフォードにも同じ机がありましたが、そちらではパステルや絵の具、ペン立てにしていたトビー・ジャグと言われる陶器製のビアマグや本が数冊が置かれていました。酒焼けしたまるまるとした頬っぺたのトビー・ジャグを見ながらパイプ草のトビイ爺印の元かな?なんて思いました。
- Sayawen
- トビー・ジャグはかわいかったですね!
プリシラさんが言うには、トールキン教授は絵の道具から「特別な喜び」を得ていたんだそうです。トールキンは子供たちの絵の先生でもあったそうで24、ご自身のお母さんから受け継いだものをさらに子供たちに残そうとしていたのかな、などと想像しました。
家族エリアには、『ブリスさん』や『サンタクロースからの手紙』、『農夫ジャイルズの冒険』や『星をのんだかじや』の原稿がありましたよね。
オックスフォードで丸面さんが気がついたとおっしゃっていたサンタクロースのお手紙の「”Me” and “My House”」25のキラキラした加工も実物で確認できました。 - 丸面チカ
- グリッターを雪の表現に使っているんですよ。最初の手紙(1920年)なので、ほんのわずかに見えるだけなんですけど。1932年の手紙26は最も長く最も多く絵が付いているんですが、オックスフォード上空を飛ぶサンタクロースや目つきの悪いマンモスの絵があったり、シャーロック・ホームズの踊る人形のようなゴブリン文字(!)の手紙があったりして、本当にかわいいんですよね。ご家族の写真のチョイスもとても良かったです。
- Sayawen
- 家族写真はほろりとしました。当時3〜4歳のクリストファーさんとトールキン教授が庭でお昼寝している写真には思わず目尻が下がります。
- 丸面チカ
- ちょうどクリストファーさんが逝去された後、この写真が「ともに安らかに眠っている」ようなイメージでSNSで広くシェアされていました。
- Sayawen
- たしかにそういう風に見ることのできる写真ですね。
ご家族のエリアの中に、トールキンの大学教授としての側面を紹介するエリアもありましたよね。『The Saga of King Heidrek The Wise』には、クリストファーさんとトールキン教授の署名があったりとか。そうそう、展示していた『カレワラ』が特に素敵でした。 - 丸面チカ
- フランス国内外の博物館や美術館からも貸し出された、鎖帷子やラファエル前派の絵画や、カイ・ニールセンやアーサー・ラッカム、ギュスターヴ・ドレらの挿絵入りの本27もありました。カール大帝(シャルルマーニュ)のチェス駒28には、象に乗った兵やチャリオットに乗った兵がいて、大変凝ったものでしたし、ペレンノール野の戦いを思わせて、とても効果的な参考出品でした。
- Sayawen
- こうした品々が一挙に展示されるというのも、トールキンをテーマにした展示ならではなのかもしれませんね。
家族エリアをどんどん歩いていくと、空間が抜けていてミスリムのタペストリーが見えるようになっているところも素敵でした。はじめから終わりまで空間デザインは創意工夫に富んでいて素晴らしかったです。ゴンドールのエリアにあった、白の木と七つの星のイラストをかたどった鏡の光が床に反射しているところが個人的にはお気に入りです。#ExpoTolkienBnF "Avec 135.068 visiteurs, l'exposition référence sur le créateur du Hobbit et du Seigneur des anneaux est la plus fréquentée de celles organisées par la BnF." @Le_Figaro via @afpfr @FredericPouchot https://t.co/29NGWXnGX7 pic.twitter.com/0wpu1IwLMp
— Bibliothèque BnF (@laBnF) February 19, 2020
On dit gentiment "Namárië" à #expoTolkienBnF ce matin 🥺 pic.twitter.com/xWHwtO6aCD
— Emilie Fissier (@EmilieFissier) February 17, 2020
- 丸面チカ
- モリアに入るドゥリンの扉が壁いっぱいの大きさにされて青白く光っていたり、一本の筋のようなヒビを入れた水晶玉を赤く照らし出してパランティアのようにしたり、英語とフランス語で指輪の詩の朗読やトールキンが歌うガラドリエルの歌が聞こえてきたり…。
- Sayawen
- 最初から最後まで空間の使い方も展示物も飽きさせない構成でしたね。平日には、子供たちが課外授業で熱心にレポートを作っていましたよ。
- 丸面チカ
- 最後に展示されていた作品が日本語訳の『終わらざりし物語』の表紙として使われている「トゥーリンを探しに出たグロールンド(グラウルング)」29だったのも、ちょっと嬉しかったです。
- Sayawen
- 1927年の作品ですね。隣にカリグラフィが美しい「ベレンとルーシエン」や「レイシアンの詩」の草稿30がありました。このあたりの『シルマリルの物語』に編み込まれた物語は、中つ国作品の根幹なので、出口からもう一度展覧会の冒頭へ戻って何周でもしたかったです。
二人ともすでに一度は見ていたのに、あれこれお話しながら鑑賞したら結局3時間きっかりかかりましたよね。体力と時間さえ尽きなければ、何時間でも何周でもしたい展覧会でした。またこういう機会に恵まれますように!と願うばかりです。 - 丸面チカ
- 二人で見るとお互いに見つけられなかったところが分かって、楽しかったですね。
- Sayawen
- 一人で見ている時よりずーっと楽しかったです。

こぼれ話
- Sayawen
- 丸面さんは、12月に行かれた時にはストライキが始まってすぐで、苦労されていましたね。その時の旅行では、ロンドンからパリに向かわれたんですよね。
- 丸面チカ
- ストのせいで当日朝のユーロスターが運休してしまい、結局1時間足らずで見て空港に直行でした。1泊3日の弾丸旅行だったので。
- Sayawen
- 今回のトールキン展はオックスフォードでの展示より大規模でしたよね。1時間しか時間がとれないなんて、考えただけでつらいです…!それで、もう一度旅行を計画されたんですね。
- 丸面チカ
- 帰国してから閉会までの航空券を探しに探して、結局特典航空券でなんとかなることが分かりました。
- Sayawen
- すごい…!12月末にお会いした時に同タイミングでパリ滞在することがわかって、一緒に見る約束をしました。1ヶ月間、楽しみに待っていました。
- 丸面チカ
- なのに当日朝寝坊をするという…航空会社のカスタマーサービスの人が一旦「どうしようもないです」と言って電話を切った後に、間もなく電話をかけてきてくれて「今日行けますよ!」と言われたときにはもう神様に思えました。本当にご心配をおかけしました…
- Sayawen
- その連絡をいただいた時には、本当にびっくりしました。いらっしゃることができてよかったです。
- 丸面チカ
- 今回、先にいらっしゃっていた間もストで大変だったんですよね。
- Sayawen
- 12月に比べたら状況は改善しているようだったので、安心して朝一番に会場へ向かったら、何やら入口付近に人だかりができていて…。よく見たら旗にフランス語で「ストライキ」って書いてあるんですよ。入口が封鎖されてしまい、図書館に入れなかったんです。寒い日に6時間くらい待ちました。最初の3時間くらいはコーヒーを飲んだりして待って、その後はよそに観光に行ったりしたんですけどね。こんな調子で、トールキン展を見られず帰国になったらどうしようかと焦りました。
- 丸面チカ
- 結局、当日夕方から夜まで開いたんでしたっけ?
- Sayawen
- そうなんです。たまたま21時まで開館する木曜日だったので、予定通りたっぷり見てこれました。一回目の鑑賞後に物足りなく感じて、予定を変更して翌日も見ました。丸面さんと一緒に見た時には、わたしは三度目の鑑賞でした。
丸面さんは、パリ滞在初日はこの展覧会の講演も回られたのですよね。 - 丸面チカ
- その日(1月25日)は10時から今回のフランス版カタログの編集に関わられたヴァンサン・フェレさんらが登壇された「トールキンと戦争」というテーマのシンポジウムの二日目が国立軍事博物館であり(一日目は”Tolkien And the Great War”のジョン・ガースさん達が登壇)、午後から自然史博物館で『トールキンと科学』31という本を編纂された先生方の講演がありました。結局、午前中のフェレさんの講演を聞いた後に、自然史博物館に移動して、その後、国立図書館で閉館時間までトールキン展を観る、というコースになりました。
- Sayawen
- 盛りだくさんでしたね!図書館内の書店で教えていただいた『トールキンと科学』の本もとてもおもしろそうでした。近いうちに取り寄せようと思います。