C・S・ルイスの伝記映画『The Most Reluctant Convert』
C・S・ルイスを主人公にしたテレビ向け映画『The Most Reluctant Convert』(原題)が2021年春に公開予定です。この度製作が完了したとの報がありました。
This just in! @MaxMcLeanNYC's play “The Most Reluctant Convert" moves from stage to screen. https://t.co/g3424UTAcH
— FPA Theatre (@CSLewisOnStage) December 9, 2020
この作品は、『ナルニア国物語』シリーズの第一作『ライオンと魔女』の刊行や、ルイスがジョイ・デヴィッドマンと結婚するより前の時代を扱い、彼の無神論からキリスト教への改宗が題材となっているそうです。タイトルの『The Most Reluctant Convert』は、日本語では、「もっとも気の進まぬ改宗者」という感じでしょうか。
ルイスの伝記を読んだことがなくても、トールキンの伝記を知っていれば、この二人が長らくオックスフォード大学で同僚だっただけでなく、友人だったことをご存じだと思います。ルイスの改宗にはトールキンも関わっていること、カトリックではなく英国国教会へ改宗したことからトールキンは落胆したことも同様に。
ですから、この作品にはトールキンの出番もあるそうです。トールキン役を演じるのは、トム・グレニスター。彼が卒業した演劇学校の情報によれば、約180cm、青い瞳にブロンドヘア。面長な印象も含め、トールキンの印象からの配役だろうとうかがえます。実際のトールキンは174cmほどであったそうですから、『トールキン 旅のはじまり』でトールキンを演じたニコラス・ホルトよりはご本人に近いです。俳優さんはエージェントのページ(link)で写真が見れます。
おっと、先に助演俳優の話をはじめてしまいましたので、少し話を戻します。
この作品『The Most Reluctant Convert』は、もともとニューヨークを拠点とする劇団 Fellowship for Performing Artsの同タイトルの演劇をベースにした自主制作映画作品。COVID-19で今年3月から休演を余儀なくされたことから、2022年/2023年のシーズンに製作予定だった本作のスケジュールを早めて撮影に踏み切ったということ。2020年9月21日から3週間ほどオックスフォード周辺で撮影を行い、この度製作を終えたということです。
年齢に応じてルイスを3人の俳優が演じます。1908年から1914年はエディ・レイ・マーティン、1914年から1931年をニコラス・ラルフ、1950年をマックス・マクリーン。このマックス・マクリーンさんが劇団の創設者かつ芸術監督。演劇版のトレイラーが公開されています。かなりウケてますね。
描かれる時代は前述の通りですから、インクリングズが最も活発だった時期とは重ならないようですね。オーウェン・バーフィールドにも出番があるそうですが、第二次世界大戦の時代が描かれないのなら、チャールズ・ウィリアムズの出番もなさそうですね。
テレビ映画版『The Most Reluctant Convert』の監督はノーマン・ストーン。BAFTAでは二度の受賞歴があり、これまでにもルイスに関連したドキュメンタリーの製作を何作か監督した経験をお持ちだそうです。ルイスのファンの方なら『永遠の愛に生きて』をご存じだと思いますが、こちらの元もブライアン・シブリーさんとノーマン・ストーンさんの脚本が大元だそうで、長らくルイス作品に関わっているんですね。
『永遠の愛に生きて』は未見なのでどうにかして観賞したいところ。トールキンがどう描かれるのか…トールキンファンにとって気になるところです。あと、ルイスのお兄さんのウォーニーにもとても興味があるので出番があったらうれしいのですが。
参考
- On Location in England with The Most Reluctant Convert Film! – Fellowship for Performing Arts
- Production Wraps On C.S. Lewis Biopic ‘The Most Reluctant Convert’ – Deadline
- THE MOST RELUCTANT CONVERT (C.S. LEWIS) COMING SPRING, 2021 | 1A Productions
- Tom Glenister | Guildhall School of Music & Drama
- Norman Stone – IMDb
- Shadowlands (1993 film) – Wikipedia