The Study of Bag End

ジョン・ハウ画伯のインタビュー記事(2020年夏)

24 heures(スイスの新聞社)に、ジョン・ハウさんのインタビューが掲載されました。このインタビューは、スイスの通信社Keystone-ATSによって行われました。インタビュー日は不明ですが、記事中に「この夏」などのテキストが見られることから、最近行われた取材を元に執筆されたものだと推測します。インタビューはフランス語で行われ、英語などの言語に翻訳されました(2020年8月8日現在、日本語に翻訳された記事は見つかりませんでした)。

ジョン・ハウさんといえば、トールキン教授の関連書籍の挿絵をたくさん描かれている他、ピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、『ホビット』シリーズ、さらに現在製作中のアマゾン・プライムのテレビドラマ版『指輪物語』でコンセプチュアル・デザイナーとして参加しており、トールキンファンや映画ファンにとってなじみ深いイラストレーターです。

インタビュー記事の題名は『指輪物語のイラストレーターの終わりなき物語』。

ジョン・ハウさんは、スイスのヌーシャルテル州を拠点に活動されていて、現在62歳だそうです。『ロード・オブ・ザ・リング』の特典映像などでお見かけしていた姿と、あまり印象がかわりませんよね。20年も経っていることを思い出すと、驚きを隠せません。

アラン・リーさんとともに映画の視覚の世界観を作ったかれは、世界的な名声を得たことについて、「相対的なものである」*と述べたあと、「自分が何をしているのか延々と説明する必要がなくな」*り、「世界中の仕事ができる」*ようになったと利点を挙げました。その例として、2019年8月に上海で行われた個展と、デザインした中国語版の書籍を紹介しています。

それから、ジョン・ハウさんご自身は14歳の頃からトールキン作品のファンであり、トールキンの作品についてこう語りました。

トールキン作品を手に取るやいなや、ハウはすぐに刺激を与えられた。「彼は視覚を思い描かせる力が非常に強い作家の一人です。彼の説明はビジョンを引き起こします。」*

さらに、世界を広げてくれる小説のこと、物語の目指すもの、この夏取り組んでいることなどについて語りました。彼はアルテ(独仏共同のテレビ局)のファンタジー文学シリーズの準備で、ロビン・ホブ、アーシュラ・K・ル=グウィン、ナオミ・ノヴィク、アン・マカフリーらの小説を読んで過ごしているんだそうです。

彼の画家としての視点は興味深いです。

彼にとって絵を描くことは、執筆することと近い。「なぜわれわれは絵を描くのでしょう? 執筆することと絵を描くことの境界線は、作った過程ではなく、できあがったものによって、示されていると考えます。」 それで、現在取り組んでいる本で彼は、文章と絵のあいだへ導いています。*

2020年秋には、アラン・リーさん、テド・ネイスミスさんとともに挿画を担当した『終わらざりし物語』(原書)の新装版が発売されますし、ゆくゆくはアマゾン・スタジオの『指輪物語』で彼が描いた中つ国を見られることでしょうし、そのほかにもさまざまな取り組みをなさっているようで、ジョン・ハウさんの活躍からは目が離せません。

インタビュー記事へのリンク

フランス語(オリジナル)
Culture – L’histoire sans fin de l’illustrateur du Seigneur des Anneaux | 24 heures
英語
The Neverending Story of John Howe and JRR Tolkien | Web24 News
ドイツ語
Fantastische Welten: John Howe zeichnet J.R.R. Tolkien – SWI swissinfo.ch


* 引用部分はすべて、英語版の翻訳記事 The Neverending Story of John Howe and JRR Tolkien | Web24 News を参照した拙訳です。(参照:2020年8月8日)

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