The Study of Bag End

シーズン1配信開始日の発表とイメージを初公開

テレビドラマシリーズ『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』シーズン1の配信開始について、アマゾン・スタジオは (金) と発表しました! 

8月2日(現地時間)、アマゾン・スタジオはシーズン1の撮影終了のお知らせとともに、正式にシーズン1の封切り日を発表。また、これに加え、はじめてドラマのイメージ1点を初公開しました。

配信開始とスケジュール

アマゾンの発表によると、ドラマ版『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』の配信開始は(金)。9月2日にシーズン1のエピソード1が配信され、その後は毎週新しいエピソードが配信されるというスケジュール。アマゾン・プライムでの独占配信です。

これまでにアマゾン・スタジオが新起用の監督を発表する時に、担当するエピソード数を公表していました。その数字を足し算していくとシーズン1は8エピソードになるのではないかと見ています。1エピソード毎の長さはまだ不明です。

もし 9月2日(金)から毎週1エピソードずつリリースされていくと、8週間後の10月21日(金)には全エピソード視聴可能となる計算です。

ところで、気になるのは日本でも同時に配信されるのか?ということ。

プレスリリースには、9月2日に、240 をこえる国や地域で配信開始されると書かれています。かなり多いですが、日本がこの中に含まれているのかは定かではありません。けれど、日本のアマゾン・プライムの Twitter アカウントでもツイートしていました。ですから、日本が含まれていることを期待して待ちましょう。

The Study of Bag End では、この二か月間、二度に渡って2022年配信開始とお伝えしてきました。当ファンサイトに掲載する今度のドラマ情報の多くは、英語圏で積極的な情報収集をされている人々の発信を頼りさせてもらっていますが、ニュースが先取りできるおかげで楽しみが増しますよね。つねづね感謝でいっぱいです。

初公開のイメージ

今回の発表の目玉は、なんといってもビジュアルイメージの初公開でした! トールキン作品を読んでいれば読んでいるほど、驚きも大きいと思います。4K 解像度ですから、拡大してくまなくご覧ください!

緑豊かな谷間と、ミナス・ティリスのような階層構造の荘厳な都の風景です。手前の草原には外套(マント)をはおった人物の後ろ姿。これは誰なんでしょう?そしてなんといっても、奥にある強い輝きを放つ木々です。

この画像は、 Deadline によるとシーズン1のエピソード1のワンシーンだそうです。

これはどこ?

これは、ヴァリノールと呼ばれる土地です。他の場所である可能性はありません。

ヴァリノールがどんなところなのかご興味があったら、トールキン教授の原作を読んでみませんか? まだ時間は十分にありますから。『シルマリルの物語』をぜひ。

読んだことのある人は、一緒に復習していきましょう。読書済みの人の記憶がよみがえるように、地名はちょっと多めに盛りこみますね。

外套をまとった人物が建っている草原は、ヴァリノール東端の沿岸にある峡谷です。ここはカラキルヤと呼ばれている場所です。「光の谷間」という意味のエルフ語。南北には険しい山脈が走っています。

この人は、カラキルヤから西を見渡しているようです。もし反対側を向けば、離れ小島と大海が見えるでしょう。

カラキルヤの峡谷の緑の丘の名はトゥーナ。そこにはティリオンという名のエルフの都が建てられました。都の中でも群をぬいて高い塔はミンドン・エルダリエーヴァ。ティリオンの左側に険しくそそり立つ山肌は、タニクウェティルの一部ではないかと思います。

そしてこの場所をヴァリノールだと決定づけているのは「二本の木」。「二つの木」とも言われます。銀色のほうをテルペリオン、金色のほうをラウレリンと呼び、太陽がのぼる前にはヴァリノールを照らす明かりでした。

今回のイメージからわかる通り、光源の位置はそう高くないですし、ヴァリノールを照らしてやっとという感じ。この頃、大海をはさんで東側にある中つ国は、暗闇に包まれていました。

二本の木の左下を見ると、遠くの川岸(または湖岸)にも都があるのが見えます。ヴァルマールじゃないかと思います。この都の西門前の築山に、二本の木があるということですから。けど、二本の木は大きさがよくわからず遠近感がつかみにくいです……。

もしかすると、ヴァルマールはもっと奥の見えないところにあるかもしれませんね。ティリオンのやや奥にある街は、エルフの支族のヴァンヤールがティリオンから広野や森に移住した後の住まいかも。

これはいつ?

二本の木が存在するのは、世界の中でごく限定的な期間です。といっても、人間からしたらとても長い時間なのですが……。

世界を照らす主要な光は、最初に作れらた後、二度作り変えられました。理由は、もともとあったものがある理由により損なわれたからに他なりません。最初はイルルインとオルマルの灯火。その次が二本の木。そして、月と太陽です。

二本の木のある、至福の日々の時代にヴァリノールで多くのエルフ族が生まれました。ビルボやフロドの時代の中つ国で名高いガラドリエルも、その一人。二本の木の明かりのことを知れば、ガラドリエルの美しさがどれほどなのかもわかるのです。

その[ガラドリエルの]髪は金色に照り映え、あたかもラウレリンの輝きを網の目にとらえたかのようであった。

J・R・R・トールキン著、クリストファ・トールキン編、田中明子訳『新版 シルマリルの物語』(電子書籍版)、五「エルダマールとエルダリエの公子のこと」、[]内筆者註

二本の木の時代はまた、中つ国で人間が目覚める前のこと。人間は太陽の到来とともにやってきたのです。テド・ネイスミスさんが今回のイメージに近い作品を過去に描いています。エアレンディルがティリオンにやってくる場面です。けれど、人間のエアレンディルがやってくるのは、太陽がのぼってからなんですよね。

この人はだれ?

これが大いに議論を呼ぶところです。事実、インターネット上ではイメージが公開されてから数日、ディスカッションを続けている人たちも見かけました。

LOTRonPrime を楽しみに待つフォロワーが多い Fellowship of Fans さんや The Nerd of the Rings さんのツイッターでの投票式アンケートではともに、ガラドリエルに投票した人が多かったみたい。

The Study of Bag End でのアンケート結果は以下の通り。やはりガラドリエルが一位に。

「若きガラドリエル」をモーフィッド・クラークさんが演じると言われていますし、例えば『ロード・オブ・ザ・リング』プロローグでガラドリエルがナレーションをしたように、ドラマでも彼女のナレーションで幕を開ければ繋がりが持てるのではないか?という意見も見られました。

他のところでは、サウロンやケレブリンボール、フィンウェ、モルゴスではないかというなんていう意見もありました。

また、『トールキンのホビットを探して』の著者コリー・オルセン教授は、エアレンディルではないかという案を出されていました。もちろん、時系列に不自然がある点は踏まえたうえです。けれどオルセン教授は、エアレンディルからエルロスとエルロンド、ヌーメノールとリンドンの創立につなげることができるというご意見で、それはたしかにおもしろいなぁと思いました。

ところで、個人的には美しいティリオンと二本の木を見た瞬間に、パランティアを盗み見した後のピピンに、ガンダルフが話すこのせりふを思い出しました。

今でさえ、わが心は意志の力をあれ[パランティア]で試してみたいと切望しておる。かれをふり切って逃れ、わが望むところに向けることができるかどうか見たい──広大な大海のかなた、そして茫々たる時をへだてて美しきティリオンの都を見たいのじゃ。そして白の木と金の木がともに花咲く時、想像も及ばぬフェアノールの手と心の業をこの目で知りたいのじゃ!

J・R・R・トールキン著、瀬田貞二・田中明子訳『指輪物語 二つの塔』(電子書籍版)、十一「パランティールの石」

ガンダルフのヴァリノールの描写は、まさにこのイメージの風景にぴったりだと思ったからです。それで話がつながるかどうかは別として、オローリンだったらどんな物語になるのだろう? と想像しています。

ドラマで上古をやるの?

アマゾン・スタジオは長らく、ドラマ版『指輪物語』で第二紀を舞台にすると言ってきました。撮影開始するより1年近く前の2019年春にも、2021年1月に発表されたシノプシスでも、第二紀と明記しています。

最近になって、『シルマリルの物語』の映像化権も一部取得したのでは?という情報もありますが、第二紀のヌーメノールを扱う「アカルラベース」と推測されてきました。

ほぼ2年前には、当時クリエイティブ・チームのお一人だったトム・シッピー先生が「第一紀は立入禁止」とおっしゃっていました(この時、ご本人はほとんど知らないと弁明されています)。今回、明らかに第二紀をさかのぼる上古の時代のイメージが発表され、原作を知っている人はみんな驚いたんじゃないでしょうか?

今回、このイメージとともに発表されたアマゾン・スタジオのプレスリリースにはやっぱり第二紀と書いていますから、いわゆるシルマリルの時代(第一紀)が主題になることはないと思います。言い切ってしまうと夢がないかもしれませんが……。

あわせて読みたい

References