The Study of Bag End

ドラマ版『指輪物語』の動静 ―2020年7月[8/9追記]

アマゾン・スタジオ製作のテレビドラマ版『指輪物語』(ロード・オブ・ザ・リング)の7月のニュースを振り返ります。

『指輪物語』撮影関係者、入国を認められる

『指輪物語』の撮影は、にニュージーランドで開始されましたが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大抑止のため、から、再開時期未定で中断していました。撮影が中断されたままのには、エキストラ募集などの動きがありましたが、はさらに一歩進んだ動きがありました。

現在、ニュージーランドは国境をほぼ閉鎖している状態ですが、アマゾンの『指輪物語』の関係者93人とその家族20人の入国が許可されたと、に地元紙が報じました。これはニュージーランド企業・技術革新・雇用省(MBIE)の公表をベースに報じられ、『指輪物語』の他にも、WETA DIGITALが製作に携わる『アバター』続編など国外発の映画やドラマなど7作品に許可が降り、合計で206人の関係者と家族35人に対して許可が降りたようです。

この人数は、各作品の進行状況も影響するものと想像しますが、『指輪物語』だけで全体の約半数です。とはいえ、COVID-19以前のように入国できるはずもなく、入国する全員が検疫や隔離の費用を自己負担することになるようです。また、これによりニュージーランド国内で3000人の雇用が生まれ、4億ドル(約280億円)のお金が動く見込みだとMBIEは述べました。

『指輪物語』の撮影再開はいつなのか、気になるところです。現時点で得られる情報では、9月に撮影再開と報じられています。6月の時点では、7月に撮影再開とうわさもありましたが、時期尚早だったようです。

余談ながら、この7作品のうちピーター・ファレリー監督の新作『Greatest Beer Run Ever』(原題)は、かつてピーター・ジャクソンの『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズアラゴルンを演じたヴィゴ・モーテンセンが出演交渉中だそうで、成立すれば『グリーンブック』に続いてファレリー監督とヴィゴ出演作となるそうです。さらにジェーン・カンピオン監督作の『Power of the Dog』にはベネディクト・カンバーバッチが出演が決まっていて、過去に中つ国作品に出演した俳優がニュージーランドへ戻ってくるようで、他作品ではありますがなぜだかうれしい気持ちです。

撮影監督にオスカル・ファウラが参加

(2020年8月9日追記)

トールキンファンサイト TheOneRing.net(TORn)によると、撮影監督として、オスカル・ファウラが『指輪物語』の製作に参加していると確認できたということです。氏は『イミテーション・ゲーム』や『ジュラシック・ワールド 炎の王国』、『怪物はささやく」など『指輪物語』の監督を務めるJ・A・バヨナの映画作品すべてで撮影監督を務めているということです。

この新情報は、出処が不明ですが、6月30日に映画芸術科学アカデミーの新加入メンバーが発表され、その中に氏の名前があったため、出てきた情報かもしれません。続報を待ちましょう。

TheOnerRing.netから

今年の「サンディエゴ・コミコン」(SDCC)は、COVID-19の影響を受けてオンラインイベントに変更され、多くのパネルがYouTubeで配信されました。このイベントのトールキンファンの注目どころは、トールキンファンサイト TheOneRing.net(TORn) のパネル・ディスカッション「中つ国からの速報:トールキンファンのための新情報 (原題:Dispatches from Middle-earth: What’s New for Tolkien Fans)」でした。

(現地時間)に行われたパネル・ディスカッションの後半(動画の40分頃から)、アマゾン・スタジオ製作のテレビドラマ版『指輪物語』について議論が交わされました。この最中に、パネラーのクリフ・ブロードウェイは「世界的な健康危機のほかにはあまり新情報はない」とし、「クルーや俳優が製作に戻っているうわさは飛び交っているが、はいつ撮影再開するのかは定かでない」と述べました。

その後の議論は、アマゾン・スタジオの『指輪物語』ではいったい何が描かれるのか、第二紀の主要な出来事が語られる「アカルラベース」が含まれる『シルマリルの物語』映像化の権利はどうなっているのか、作品中の人種の多様性などの話題に及びました。終わりには、今年これまでに亡くなった人々、クリストファ・トールキン、アンドリュー・ジャック、イアン・ホルムの追悼がありました。

このパネル・ディスカッションの数日後、SDCCの新情報として、TORnから以下のツイートが投稿されました。

拙訳
『指輪物語』 SDCCの最新情報:J・A・バヨナは現在ニュージーランドで製作しています。これはCOVID後に撮影を再開した、世界最大の作品です。

⚔️ ニュージーランドのキャストが新たに追加
⚔️ これまでのどの作品よりも多くのニュージーランドスタッフ[を雇用]
⚔️ ガラドリエル、エルロンド、サウロン[の登場]が確認された
⚔️ キャストはより強い絆で結ばれています

オスカル・ファウラの件も含め、これがどういった情報筋から得られたものかはわかりかねますが、TORnは独自の情報網を持っている可能性もあります。とはいえ、かなり早い段階からアラゴルンが出演するという情報がありましたが、それは第二紀を扱うということで覆ったかもしれませんので、用心したほうがいいかもしれません。この情報を元に、「ガラドリエル、エルロンド、サウロンが登場する」と報じられました。こうした記事の一つに、クリフさんが以下のようにコメントしました。

拙訳
はい、われわれは @theoneringnet で数週間に渡ってこのことを報告してきました。

エルロンド(裂け谷より前)
ガラドリエル(三つの指輪より前)
サウロン(美しい姿をとれる)
ギル=ガラドはまだ憶測です。

魔法使いとホビット族は登場しません(彼らは第三紀のみ)…

ウィル・ポールター、降板の理由を語る

一時は主演級の俳優として『指輪物語』に出演すると報じられていたウィル・ポールター。NMEに掲載されたインタビューで、降板の理由を明かしました。過去に報じられていた通り、急なスケジュール変更に伴う予定の重複が降板の理由のようです。企画に関わる全ての人に賛辞を送り、「まちがいなく素晴らしい作品になる」と語りました。

イライジャ・ウッド「それってシルマリルの時代じゃない?」

ピーター・ジャクソンの『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』シリーズでフロド・バギンズを演じたイライジャ・ウッドは、IndieWireのインタビューの中でアマゾン製作の『指輪物語』についてコメントしました。

彼は、本作に今のところ関わりはありませんが、興味津々の様子。ですが、第二紀の物語は『シルマリルの物語』の時代だし、『指輪物語』と呼ぶのは、少し誤解を招くのでは?という持論を展開しました。海外ドラマNAVIがイライジャのコメントを翻訳しているので、ぜひそちらをご参照ください。

イライジャは、『指輪物語』なら指輪戦争が題材だと言いたいのではないかと思います。個人的には、トールキン研究家を擁しながら『指輪物語』とするくらいですから、本編に連なる指輪に関するエピソードが主軸になったドラマシリーズになるのではないかと予想しています。サウロンの一つの指輪のほか、エルフの三つの指輪、ドワーフの七つの指輪、人間の九つの指輪のすべては第二紀に作られましたから。