The Study of Bag End

第5弾の中つ国とヌーメノールの地図

アマゾン・プライムのドラマ版『ロード・オブ・ザ・リング』、前日に引き続き2019年3月7日23時(日本時間)に、5回目の地図の更新がありました。

今回もこれまでの通り地名のみが追加されることが予想されましたが、中つ国にとどまらずヌーメノールへと広がりました。公式アカウントでは「第二紀へようこそ」と綴られました。

今回の一連の地図の発表のなかで、最もファンを驚かせたのはこの発表だったのではないでしょうか。なぜかといえば、著者本人が売った映像化権は『ホビットの冒険』と『指輪物語』に限られ、ピーター・ジャクソンの映画でもその範囲を超えることはありませんでした。今回の地図は(前回の地図もそういう予感はにおわせていましたが)私たちが現時点で認識している映像化権の範囲を超えて、アマゾン・スタジオが権利を獲得している可能性もあるためです。特に『終わらざりし物語』に関してです。

しかし一連の公表で、そのことには触れられませんでした。そればかりか、ストーリーについてアマゾンは一切語ってはいないのです。厳重警備の部屋の中では全シーズン(少なくとも5シーズン)が進行中ということですが、一連の地図が特定のシーズンに限定するものなのか、現段階で考えうるすべてのものなのかを判断する決定打もありません。

引用されていた「指輪の詩」は、これで完結しました。この一連の公表はおそらくこれで終了と見られます。

地図を観察する

これまでのように地図を見ていきます。

前回との差異

地図の範囲が大きくかわり、ヌーメノール島があるだけでなく、中つ国の地名からもこれまでの時代をさらに遡ることを示しています。ハラドの南側に地図のエリアが増えたうえ、モルドールの東南に山脈までが追加されています。それに加え、中つ国のリンドン沖合には島が3つありますね。この島が意味するところは『シルマリルの物語』で綴られていますが、どれも第三紀の中つ国で語り継がれた物語です。ミンヒリアスとエネドワイスに広大な森林が登場した他、闇の森の東入地などもなくなりました。中つ国の部分だけ見ても、差異は多く見受けられます。

また、これまでの地図よりかなりくたびれていることにも注目すべきですし、カリグラフィのスタイルも変化しました。今までは同じ一枚の地図が更新されてきたようですが、今回の地図は、別の時代の地図であることは明らかです。

この地図はいつの時代? 手がかりを探す

第二紀といっても3441年あります。でも、いくつかの手がかりをもとに絞り込めそうです。

ヌーメノール島が存在したのは、第二紀32年から第二紀3319年までの3287年間です。加えて、霧ふり山脈の西側中央部にエレギオンやオスト=イン=エジルと書かれたのも、大きな手がかりです。『指輪物語』でフロドたち一行はこの廃墟を目にしています。エレギオンは第二紀750年にはじまり1697年に陥落しました。

ミンヒリアスからエネドワイスにかけての森林は第二紀の中頃から破壊的に伐採されていき、前回までの地図の通りになりましたが、今回の地図では森林が多く残っています。ただし、グワスロー(川)は、ニン=イン=エイルフの手前で街道と交差するあたりまで、両岸の木々が見当たりません。ヌーメノール人によって伐採された影響は、早くても第二紀600年以降のことになります。

わかりやすい、これらのヒントを組み合わせると、3441年ある第二紀も、第二紀750年から第二紀1697年の期間を表す地図ではないかという推測ができます。

ただし、この推測を打ち消すようなことも、地図からは読み取れますので、上記の推測は鵜呑みにできません。ヌーメノールにアンドゥーニエの地名が見られないこと、ロンド・ダイアはヴィンヤロンデという名前の時代ではないか、といったことです。

そもそも第二紀とは?

ピーター・ジャクソンの映画版のみを鑑賞した方、『シルマリルの物語』などを未読の方には、第二紀といわれても、何が起きているのかわかりにくいかもしれません。ご興味があれば、この投稿を読むより原作を読むことをおすすめします。『指輪物語』の追補編にもわずかに第二紀の歴史が残されています。もちろん、これから何が起きるのかアマゾン・スタジオのドラマを待つのも一手です。

簡潔にお知りになりたい方のために説明します。第二紀とはトールキンが作った時代区分のことです。彼は中つ国を含む世界(アルダと呼ばれています)にとても長い歴史を作りました。ビルボやフロドの『ホビットの冒険(ホビット)』や『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』の時代は、第三紀の終わり頃の出来事です。第三紀は3021年までありました。つまり第二紀というのはそれより前の出来事になります。第二紀は3441年までありました

どんな物語が見れるの?

前述の通り、一連の投稿でアマゾン・スタジオは明言しませんでした。地図で示された時代も広範囲に及び、示された地名にもそれぞれ多くのゆかりの人物がいるために、推測はかなり難しいです。

以下は私の推測ですが『The Lord of the Rings』というタイトルや、今回の一連の投稿で用いたのは「指輪の詩」であったことに着目するならば、指輪にまつわるストーリーは織り込まれるだろうと、現段階では予想しています。エレギオンとオスト=イン=エジルが加わったこともこの考えを補強するものです。サウロンの一つの指輪以外はこの場所で制作されました(サウロンもだいたい同時期に指輪を人知れず作りました)。イシルドゥアが指輪を落として死にいたったあやめ野の地名があがっていることにも、着目しています。指輪と創造主は物語で大きなウエイトを占めるかもしれません。

第三紀2931年生まれの「若い時代のアラゴルンが主人公になる」という噂がありますが、今回の発表でこれが否定されたわけではないと考えています。ヌーメノールはアラゴルンに非常に関係のある土地です。さらには第四弾の地図に現れた、オスギリアス、ミナス・イシル、ミナス・アノール、フォルノスト、アンヌーミナス、アモン・スールなどはいずれもアラゴルンのご先祖に関係する場所なのです。また、物語の手法として過去へ遡る描き方もないわけではありません。それゆえ物語が第二紀を舞台にすると限定するには、判断材料が少なく、時期尚早のように感じています。

これまでの地図については以下で紹介&推測をしています。

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