The Study of Bag End

クリエイティブチームからの離脱とニューカマー

もうすぐ2年も前のことになりますが、キャスト発表より前の2019年夏、テレビドラマシリーズ『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』のクリエイティブ・チームのメンバー20人が動画付きで発表されました。この中にはトールキン研究者として著名なトム・シッピー博士やイラストレーターのジョン・ハウ画伯もいました。当時の動画は YouTube でご覧になれます。

アマゾン・スタジオの同作品シーズン1のクレジットを確認したところ、この20名のうち6名がクレジットされていないようです。その6人は、以下の方々。

  • グレニス・マリンズ(脚本家)
  • ブライアン・コグマン(脚本家)
  • ステファニー・フォルサム(脚本家)
  • ジーン(ユージーン)・ケリー(製作総指揮)
  • リック・ハインリクス(プロダクション・デザイナー)
  • トム・シッピー(トールキン研究者)

このうち、ブライアン・コグマンさんは、昨年12月に契約が満了して去ったことを公表していました。

また、トム・シッピーさんの離脱については、2020年4月には TheOneRing.net が取り上げていました。コリー・オルセン教授がその前月には、慎重に言葉を選びながら「もう関わっていないと思う」という旨のコメント。これはもう今から1年前のことになりますね。この6名は、コグマンさん同様に契約が満了したものと思われます。

それとは別に、新規にクレジットされた方がいらっしゃいます。ウェイン・チェ・イップさんはエピソード3から6を監督します。

カラム・グリーンさんは『ホビット/竜に奪われた王国』でも製作総指揮を務めた人物。近年では『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』や『パシフィック・リム』などでも同様の職務をご担当されたお方です。

クリストファ・ニューマンさんは、同姓同名の映画関係者が数名いらっしゃるのですが、このチームはテレビドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の関係者が多いことから、おそらく1955年レバノン出身の方だと思います。『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』や『ラブ・アクチュアリー』など多様な作品で第一助監督などを務められたベテランのようです。

プロダクション・デザインは、リック・ハインリクスさんと入れ替わる形でラムジー・エイブリーさんがアサインされたようです。主に映画の美術部門、アート・ディレクター、プロダクション・デザイナーなどのお仕事をしてこられたお方。これまでに関わった作品は、最近では『スパイダーマン:ホームカミング』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』などがあります。

以下が2021年3月25日時点でクレジットされているクルーです。※印がついている方がニューカマーです。

原作:
J・R・R・トールキン

製作総指揮/製作総指揮:
J・D・ペイン & パトリック・マッケイ

監督/製作総指揮:
J・A・バヨナ

監督/共同製作総指揮:
ウェイン・チェ・イップ※

製作総指揮:
リンジー・ウェバー
カラム・グリーン※
ベレン・アティエンザ
ジャスティン・ドーブル
ジェイソン・カーヒル
ジェニファ・ハッチソン
ブルース・リッチモンド
シャロン・タル・イグアド

製作:
クリストファ・ニューマン※

製作/VFX製作:
ロン・エイムス

脚本/共同製作:
ヘレン・シャン

衣裳デザイン:
ケイト・ホーリー

プロダクション・デザイン:
ラムジー・エイブリー※

視覚効果スーパーバイザー:
ジェイソン・スミス

イラストレーター/コンセプト・アート:
ジョン・ハウ

また、以下は SNS への投稿からの個人的な推測になりますが、キャストのナザニン・ボニアディさんの Instagram に、発音コーチのリース・マクパーソンさんの誕生日を祝う写真が掲載されていました。リースさんは、『ホビット』三部作で発音コーチをされた方。この方は、ドラマシリーズでもお仕事をなさっているかもしれません。実際に、ナザニンさんの他のキャストが彼女の Instagram のアカウントをフォローしています。

ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや『ホビット』シリーズの映像特典をご覧になった方なら、俳優たちがエルフ語やドワーフ語、ブリティッシュアクセントの英語を練習する光景を目にしたことがあると思います。

今作は第二紀の中つ国が題材となることから、エルフ語(クウェンヤ、シンダリン)、クズドゥル(ドワーフ語)の他にもアドゥーナイク(ヌーメノールのことば)などが登場するかもしれません。言語はトールキン作品の肝ですから、今回も同様の職務を担当される方はいらっしゃるはず。リースさんにもまた、ドラマの制作秘話などでお会いできるかもしれませんね。

References