The Study of Bag End

「サファリ・オブ・ザ・シーン」 ワカティプコース ―中つ国のロケ地めぐり

ニュージーランドのクイーンズタウンを訪れ、ノマド・サファリ社(Nomad Safari)が催行するガイドつきツアー「サファリ・オブ・ザ・シーン」に参加してきました。この記事は、ワカティプ盆地を巡るコース(Wapatipu Basin、以下ワカティプ・コース)の体験記です。(グレノーキーコースについて)。

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ノマド・サファリ社の車
ノマド・サファリ社の車。ワカティプ・コースはボフール号に乗って案内してもらいました。

概要

「サファリ・オブ・ザ・シーン」は、ニュージーランド南島のクイーンズタウン周辺を4WD(四駆)に乗ってガイドしてもらえるツアーです。クイーンズタウンに行くと『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビット』に登場したキャラクターの名前のナンバープレートをつけたランドクルーザーがよく走っていますが、その深緑色の車がノマド・サファリ社の車です。

ノマド・サファリ社が催行する『ロード・オブ・ザ・リング』撮影地巡りツアーは3種類あります。そのうちワカティプ湖の東側方面、カワラウ川、アロータウン、スキッパーズを約4時間かけてまわるのが「ワカティプ・コース」です。途中におやつの時間もあります。食いしん坊のホビットでも大丈夫!

私がツアーに参加した日の前日は雨が降っていました。当日は降っても小雨程度、キーウィなら傘をささないくらいだと思いますが、前日の影響で川の水は濁ったり、山に雲がかかったりしています。お天気によって景色もちがって見えるので、ご自分が行かれる際にはどんなお天気になるのか…どうぞお楽しみに。

巡るスポット

このツアーの公式サイトで紹介されているロケ地は以下の通り。1

  1. Misty Mountains – 霧ふり山脈
  2. Refugees of Rohan – ローハンの避難の道中
  3. Battle of the Wargs scenes – ワーグとの戦闘シーン
  4. Pillars of the Kings – 王たちの柱(アルゴナス)
  5. Ford of Bruinen – ブルイネンの浅瀬
  6. Gladden Fields – あやめ野
  7. OUR Road to Mordor – “私たちの”モルドールへの道

このツアーで巡る撮影地について

クイーンズタウンの高台から

クイーンズタウン中心部から出発して、まず最初に向かうのはクイーンズタウンの高台にある展望スポット。霧ふり山脈として描かれたリマーカブル山脈(The Remarkables)と、主に『ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔』のロケ地(撮影地)になったディア・パーク・ハイツ(Deer Park Heights)を、クイーンズタウンの住宅街の高台から眺めます。2

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クイーンズタウンの高台からディア・パーク・ハイツとリマーカブル山脈を展望する
リマーカブル山脈とディア・パーク・ハイツを対岸から。この日、山脈には雲がかかり見えなかったので、まさに「霧ふり」の様相です。

サザン・アルプスをはじめ山岳地帯の多いニュージーランドの山々を、映画ではふんだんに活用しています。そのため、霧ふり山脈として利用した山は他の場所にもあります。そもそも霧ふり山脈は南北に長く延びる山なので、場所によって風景も異なるはず…。

この場所からは、リマーカブル山脈を背景にしたディア・パーク・ハイツもよく見えます。この小高い丘では、『ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔』でローハンのエドラスからヘルム峡谷まで避難する道中やワーグが急襲するシーンが撮影されました。レゴラスがくるっと回って馬に乗る場面のこちらです(くるっと回るレゴラスはCGですが…)。そのため、このシーンで映る峰々もリマーカブル山脈が中心です。この山脈は霧ふり山脈にもなれば、白の山脈(エレド・ニムライス)にもなるわけです。クイーンズタウンは盆地なのでこの山脈以外の山々も写っています。

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クイーンズタウンからリマーカブル山脈
リマーカブル山脈はクイーンズタウン中心部からもよく見えます。先程の写真の翌日です。

ディア・パーク・ハイツはそういう場所なのでぜひ行きたい憧れの地でした。当初は観光できたようですが、2009年から無期限で立ち入り禁止で行けず。4 私のこの旅行後、ゴルフ場として整備されたようで、一般の人も立ち入れるのかもしれません。5 撮影当時の面影はなさそうですが。撮影から20年近く立ち、観光地としての需要もあるので、保護されていない限り変化していくのでしょうか…。ファンとしてはそのままの景色を見せてもらいたいものですが…。

カラワウ川

カワラウ川は、ワカティプ湖を水源とする川で、きれいな水色をしています。アンドゥインのネン・ヒソイルの入り口に建つ王の柱こと「アルゴナス」の像が建つ渓谷として、『ロード・オブ・ザ・リング』(第一部)の後半で描かれました。6

原作からアレンジされてエレンディルとイシルドゥアになり、エレンディルは斧ではなくナルシルを手にしています(原作ではイシルドゥアとアナーリオンが斧を持っています)。7 この後、実際にはもう少し川が続くので、アルゴナスのある位置から後ろはCGですね。それに川の流れは反対向きなので撮影時はボートで逆流していたのですね。

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カワラウ川
カワラウ川の絶壁。この前日の雨で川の水が濁っています。本当はもっときれい。

ゴンドールの版図の誇示のためにアルゴナスが建設されたのは、ゴンドール王のローメンダキル二世の御世です。8

ここから、バンジージャンプ発祥の地として有名なAJハケット・バンジーの橋が見えます。遠目から、今にもジャンプしようとするもなかなか飛べずにいる人をしばし見守って後にしました。怖いですよね…(私は飛べそうもないです)。ツアーガイドさんによると飛ばなくても返金はないそうです。

アロータウン

アロータウンのロケ地は、あやめ野とブルイネンの浅瀬です。9

第二紀の終わりにサウロンが破れた後、イシルドゥアがゴンドールから裂け谷へ戻る話は、未完の物語を集めた草稿集『終わらざりし物語 下巻』の「あやめ野の凶事」に語られている通り。ですがここは停車と案内がなかったような。私が聞き取れなかったのかもしれませんが…。なお、あやめ野の近くはストゥア族のゴクリ(ゴラム)が住んでいましたが、そのロケ地はまた別のところにあります。

ブルイネンの浅瀬は二つの川がロケ地になりました。アロータウンのアロー川と、スキッパーズ・キャニオンのショットオーバー川の川原です。アルウェンの呪文の後に川の水が溢れて流れてくるカットのようにロングショットのものは後者で撮影されました。10 どういうシーンで使い分けたのか公式な情報は得られなかったのですが、ショットオーバー川は水深が深いため、騎乗で川に入るようなシーンがアロー川で撮影されたという情報もありました(アロー川はだいたい足首くらいの水深)。1112 行かれる方はガイドさんに聞いてみてください。

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アロー川
ちょっと場所の確信が持てないので、この写真は雰囲気をお伝えする写真ということで…
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おやつ休憩
川原でおやつタイム
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スマウグ号
おやつを食べていると、スマウグ号がやってきました。

アロータウンからは4WDツアーのスリルを存分に味わうことになります。車で川に入っていくなんて、なかなかない体験です。車は大きく揺れるので、酔いやすい方は事前に酔い止め薬を服用しておくと安心かも。私たちのツアーガイドさんはノリノリな人で「クレイジードライバー!」って叫んでました。参加者は比較的若かったのではしゃいだのかもしれませんけど(笑)。このツアーでは女の子二人組と一緒だったのですが、言葉が通じないながらもみんなで歓声をあげながら乗って、とても楽しい思い出になりました。アロー川で川を走る間、危険なのでカメラはカバンに入れて足元に収納するように言われます。

スキッパーズ・キャニオンの恐怖体験

その後、腕は確かなクレイジードライバーに連れられ、ミルブック・ゴルフリゾートを通過してスキッパーズ・キャニオンに向かいました。ここが最終目的地です。断崖絶壁の下に流れるのはショットオーバー川。前述の通り、ショットオーバー川はブルイネンの浅瀬のもう一つのロケ地でしたが、時間切れだったのか、もともとそこまでだったのか、道の途中で折り返したので浅瀬のロケ地を目にすることはできませんでした。ちょっと残念。なお、スキッパーズ・キャニオンは一般車両は通行禁止で、このようなガイドつきツアーを利用する必要がありますのでご注意を。13

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スキッパーズ・キャニオン入口の案内板
まずはじめに、この看板に出迎えられます…
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スキッパーズ・キャニオン
この岩肌の荒々しさ、西エムネトのような雰囲気があります。
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ショットオーバー川
断崖絶壁。晴れていれば川の水はもっときれいだっただろうなぁ。

実をいうと、これより前に他のアクティビティ(ラフティング)でここへ来ていたのですが、その時はランドクルーザーより大きい、マイクロバスに乗ってきていました。これでガードレールのない断崖絶壁を移動するのは本当に怖かったです😱

最後に見せてもらった、スキッパーズ通りから眺めるワカティプ湖周辺の盆地はとても美しかったです。これでクイーンズタウンに戻る帰途につきます。

他コースとの比較

三種類ある「サファリ・オブ・ザ・シーン」。

4WDツアーのために1日確保できる方は、「Full Day Lord of The Rings」もいいのかもしれません。私たちは午前中にグレノーキー・コース、午後にワカティプ・コースを別々に予約しました。クイーンズタウン市街地で行きたいランチのお店があるなら私たちのようにしてもいいかもしれませんが、時間を気にしながらの食事になりました。1日ツアーはランチ付きだそうで、そちらのほうが気楽かもしれませんね。12

もし、時間の制約からどちらか一方しか選べず『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』の風景に入り込みたいという気持ちのある人には、個人的にはグレノーキーコースをおすすめしたいところ(※グレノーキーコースについての記事も近日中に公開します)ですが、観たい場所に合わせていくといいと思います。ワカティプ・コースも楽しかったですよ。特にスリリングな体験ができるのがいいですね。快晴に恵まれればなおのことよかったなぁとは思いますが。

予約方法

ノマド・サファリ社の公式サイトから申し込みができますが、クイーンズタウンのアクティビティのブッキング(予約)は日本語対応してくださるQBookがおすすめです。私たちもたいへんお世話になりました。

おすすめの持ち物

  • 車酔いしやすい方は酔い止め薬
  • スニーカーやトレッキングシューズなど歩きやすい靴(川原や舗装されていない道に出ることがあります)
  • 防水のアウターなどのレインウェア
  • Ian Brodieさんの「Lord of the Rings Location Guidebook」、「The Hobbit Trilogy Location Guidebook」などのロケーションガイドブックを持って行くと、ツアー中にツアーガイドさんに質問しやすいです。
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