The Study of Bag End

『終わらざりし物語』(日本語訳)

『終わらざりし物語』の原書は、1980年に出版されました。原題を「Unfinished Tales」といい、頭文字をとって「UT」と略されることがあります。トールキン教授の死後にご子息クリストファ・トールキンの編纂によってまとめられた遺稿集です。『シルマリルの物語』の後、未邦訳の『中つ国の歴史(The History of Middle-earth)』の出版に先立って刊行されたものです。

この本は書籍名が言い表す通りに、物語が終わりを迎えないまま突然途切れることが多々あります。それゆえ物語として通しで読めるとはいいがたいですが、『指輪物語』か『シルマリルの物語』まで読んで「もっとトールキンの作品を知りたい。読みたい。」と思う方なら楽しめる一冊です。

物語が終わらないかわりに、トールキンが途中まで書いて止めた遺稿や同じシーンや事項を扱うバリエーションを読むことができ、トールキンがいったい何を、どう考えて物語をつくっていたのかがわかります。

本書の性格は前述の『中つ国の歴史』シリーズと同様に研究書の類ではありますが、身構えず、興味があったり、理解できるところから順番に読んでいきましょう。もちろん最初から順番に読んでいってもいいです。読む順番に関して詳しくは「中つ国への手引き」をご一読ください。

上巻

下巻

New Articles