The Study of Bag End

警戒的平和の時代の中つ国

警戒的平和(Watchful Peace)は第三紀2063年から2460年の約400年間続きました。

「ホビット 思いがけない冒険」(第一部)の中では、エルロンドが今も警戒的平和の最中だというようなことを暢気に言います。
以前ぐらさんが映画の年表のずれについて書かれていらっしゃいました。トーリン・オーケンシールドのエレボール遠征は2941年のことですから、警戒的平和の時代はもまた大きくずれています。そのことについて書きたいと思います。

警戒的平和がはじまったのは明確なきっかけがあります。ドル・グルドゥアの不穏を察知した賢人会議(イスタリ)は、その影の正体がサウロンではないかと懸念を抱きます。そしてガンダルフがそこへ赴いた時、サウロンは東へ逃れます。
ガンダルフが赴いて何をしたのかはわかりませんが、ガンダルフ一人を相手に逃げる(ふりをしただけかもしれない)くらい、力がなかったことが伺えます。

これが、警戒的平和のはじまりです。中つ国北西部が監視は怠れないもののつかの間の平和を享受できた時期です。

原作では、サウロンが中つ国北西部から姿を消したために平和が訪れたということになります。
映画では、ドル・グルドゥアでサウロンが悪企みをしていることに気がつかずに、平和だと思いこんでいるということになります。演出とはいえ、あの時のエルロンドには緊張感が足りないと感じています。

ガラドリエルの力でサウロンが追い払われ(、東へ逃れている間に力をつけ)るという映画の設定はここから来たものと思われます。

サウロンは約400年後にドル・グルドゥアへ戻ります。それと同時に警戒的平和は終わり、それはすぐに察知され、白の会議が結成されるのです(ただこの時点では死人占い師がサウロンである確証はありません)。サウロンの帰還を象徴する出来事はデアゴルによる一つの指輪の発見です。サウロンの帰還から三年後、2463年のことです。

警戒的平和がはじまった時、ゴンドールではすでに数百年前の最後の王エアルヌアはミナス・モルグルから戻らず、執政が統治していました。とは言え、このおかげで最初の数代は平和に統治できました。
カレナルゾンの地にエオル王家はまだなく、キリオンとエオルの友情は、警戒的平和の後、必要によって生まれました。
エリアドールでは北方王国は途絶え、初代族長の時代のうちに警戒的平和の時代がはじまりました。

第三紀の整合性のとれた年表を、ピーター・ジャクソンは用意できるのでしょうか?映画に厳密さを期待はしてませんが、出来事をとっかえひっかえしているので混乱の元です。

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