「アーサー王と円卓の騎士」読了の覚え書き

「指輪物語」のエンディングはビルボとフロドの旅立ちで幕を下ろします。「アーサー王物語研究」の中の辺見葉子氏の論文によると、この結末はアーサー王のアヴァロンへの船出を彷彿とさせるという指摘があるし、トールキン自身も「アーサー王物語風のエンディング」と呼んでいたそうです(「アーサー王物語研究」 p.314)。注釈の通り「Souron Defeated」 p.132に「an Arthurian ending」とありました。

アーサー王物語の本はいろいろあって何から手をつけていいのかよくわからず、たびたび見かけていたシドニー・ラニアの「アーサー王と円卓の騎士」を読みました。ポイントはもちろんアーサー王のエンディングが読めるというところ。トールキンの中つ国とアーサー王物語の関連を探しながらの読書となりましたが、物語としても楽しかったです。トールキンの物語よりもストレートな宗教的描写と血の臭いがするものですが。「アーサー王の死」は衝撃的でした。

アーサー王よりも円卓の騎士に焦点の当てられる物語が多かったのですが、その慇懃さはどこかセオデンを思い出させるところがありました。騎士道というものなのでしょうか。さらには、サー・ラーンスロットに思いを寄せたエレインのその後の身の振り方などはエオウィンも通じるものがあるように感じました。サー・トリストラムの物語では「マーク王」とか「妹の息子」などと並ぶあたりもトールキンファンには見逃せない単語でした。