なぜ私はサウンドトラックが好きなのか、もう一つの理由

「ロード・オブ・ザ・リング」と「ホビット」のサウンドトラックが好きでよく聴いて過ごしています。「ロード・オブ・ザ・リング」のサウンドトラックを解説する「The Music of the Lord of the Rings Films」読書会はコツコツと続けており、早いもので2、3年も経ってしまいました。

サウンドトラックはテーマを取り入れて物語やキャラクター、情勢を表現しているところがおもしろいということは、何度も書いているような気がします。実は、サウンドトラックのあるものの内容を知ることで、映画に込められた想いを知ることができるんです。

それは、コーラスの歌詞です。

両作品において、コーラスは、多くはエルフ語のシンダリンで、ときにクウェンヤで、はたまたクズドゥルで、まれに英語で歌われています。コーラスがついているサウンドトラックで思い出しやすいのはアルペジオのイントロを伴う「裂け谷」のテーマでしょうか。例えばこの歌詞は原作から歌詞を引用しており、「エルベレス ギルソニエル」と歌っています。星々の女王を称える詩ですね。原作からの引用もあれば、脚本家のフィリッパ・ボウエン氏によって書かれたものをデビッド・サロ氏が中つ国の様々な言語に翻訳している場合もあります。

サウンドトラックの歌詞と英語訳がこの解説書に載っているので、それを読んでみるだけでもとても楽しいです。

その中で一番感動したものをぜひ知って欲しいと思います。

「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」のクライマックスでアラゴルンが「For Frodo」とつぶやいて戦闘に入っていくシーンがあります。ここに流れるテーマは「旅の仲間」のテーマで、第一部の「旅の仲間」の頃から「ロード・オブ・ザ・リング」のメインテーマとして使用されています。このテーマがフルオーケストラで、コーラスがつけられるのがこの黒門前のシーンです。映像を見るだけでも胸がいっぱいになるのですが、歌詞を知るともっとぐっとくるものがあるんです。

物語を少し巻き戻します。「旅の仲間」での「エルロンドの会議」でアラゴルンは「If by my life or death I can protect you, I will.(命をかけてあなたを守ろう)」とフロドに誓います。そして旅路において映画のアラゴルンは自分のアイデンティティと向き合わざるを得なくなります。そしてアルウェンを西方へ送り、自分が王になるという決意をなかなかできずに第三部を迎えます。アラゴルンは物語を通して成長し、王となる決意を固めます。

そしてこの前述のシーンでコーラスとして歌われるのはエルフ語で「If by my life or death I can protect you, I will.」、そしてあくまでもサウロンへの抵抗を試みる決意へとつながっていくのです。なんというかっこよさでしょうか。これを知った時はとても感動しました。

最後に「The Music of the Lord of the Rings Films」をおすすめして終わります。

この記事は Tolkien Advent Calender 2016 4日目の記事で、Tolkien Writing Dayに参加しました。