「ホビット:思いがけない冒険」の原作と映画を比較する

映像で見るイメージは自分の想像より影響が大きいので、どちらが本当かわからなくなってしまうことがないようにするために、「ホビット:思いがけない冒険」の原作と映画を比較しました(善し悪しはさておき)。

※原作は「指輪物語」の出版後、話の筋をそろえるためトールキンによって改訂されていますが、参考にしているのは改訂前の第2版を底本としている瀬田貞二さん翻訳の「ホビットの冒険」と「新版 指輪物語〈追補編〉」です。

ストーリー

原作 映画
プロローグ プロローグはなし
フロドは生まれていない
111才のビルボがフロドに語り継ぐようにエレボールの歴史を回想する
スマウグによるエレボール襲撃 トーリンはエレボールから離れていた エレボールでスマウグに遭遇
スロールを危機から救う
ビルボのお茶のお誘い 旅に連れ出されると慌てたビルボがうっかりガンダルフを翌日のお茶に誘う ビルボの誘いなしに袋小路屋敷へ押しかける(ガンダルフの差し金入りであることは明らか)
ドワーフの登場 ・翌日、お茶の時間にやってくる
・ドワーリン、バーリン、フィーリ&キーリ、ドーリ&ノーリ&オーリ&オイン&グローイン、ビフール&ボフール&ボンブール&トーリンの順番で登場
トーリンは他3人の下敷きになって機嫌を損ねる
・(たぶん)ガンダルフがビルボを訪問した日の夜にやってくる
・フィーリ&キーリまでは原作通り
・次はトーリン以外の全員が登場
・トーリンはひとり遅れてやってくる(2度迷いながら)。
はなれ山の地図の隠し扉の位置 山の西側にある 山の北西側にある
旅に飛び出すビルボ ガンダルフにせっつかれて何も持たずに飛び出す(あとでガンダルフがパイプやハンカチなどいくつかのアイテムを持ってきてくれる) 旅のフル装備で出発(大慌てで追いかけるのは原作まま)
ボフールが服の切れ端をハンカチの代わりにくれる
トロルの森へ忍びこんだ理由 火が見えてトーリンがビルボを忍びに送り出す 小馬を盗まれて困ったフィーリとキーリがビルボを忍びに送り出す
トロルの森からの脱出 ガンダルフの帰還によって助かる ビルボの機転によって助かる
オークによるドワーフ追跡 なし 裂け谷以前からドワーフを追い回す
裂け谷での「白の会議」 「指輪物語<追補編>」にこの年に「白の会議」が開催された、と書かれてあるのみ ・原作には登場していないサルマン、ガラドリエル(唯一の女性キャラクター)が登場
小馬 ゴブリン町でゴブリンにさらわれて失う トロルの森以降で失い、それ以降は徒歩
ゴブリン町でのビルボのはぐれ方 ゴブリンから逃げているうちに襲われて気を失いはぐれる(道に迷ってゴラムのもとへ) ゴブリンに捕らえられてすぐに逃げ出す(落ちてゴラムのもとへ)
暗闇のなぞなぞ問答 6つ目で終了 短気なゴラムにより3つ目で終了(最後のなぞなぞは原作の6つ目と同じ)
ラストのトーリン アゾグ(既に死んでいる)とは戦うことはなく、死にかけることはない ガンダルフによって呼び戻される

キャラクター

原作 映画
ビルボ・バギンズ 馬の毛アレルギー
トーリン 195才(ドワーフの寿命は250才)
一人称は「わし」
若き王子
長鬚族だがあごひげは短め
キーリびいき
プライドの高さがより強調されている
バーリン トーリンより年下である 設定はともかく見た目や振る舞いはトーリンより年上のよう
オイン 耳の聞こえが悪い描写はない 耳の聞こえが悪くトランペット型補聴器を使用
ビフール 頭に斧は刺さっていない 頭に斧が刺さっていて西方語は喋れずドワーフの身振り言語で会話*
オーリ フィーリ・キーリよりは年上 一番若い設定になっている?
フィーリ&キーリ ふたりとも黄色い髭 キーリは黒い髭
スロール スロールがアゾグに殺害されたことがきっかけでアザヌルビザールの戦いへと発展する アザヌルビザールの戦いでアゾグに殺される
ガラドリエル 「ホビット」には登場しない 原作本筋にはない「白の会議」にのみ登場
サルマン 「ホビット」には登場しない 原作本筋にはない「白の会議」にのみ登場
茶色のラダガスト 「ホビット」には登場しない
ビヨルンのところで名前のみ登場
乗り物:大きなウサギの橇
ロスゴペルがドル・グルドゥアに近すぎないか?
セバスチャン トールキンの世界には登場しない ラダガストの友達
アゾグ モリア東門前の「アザヌルビザール(ナンドゥヒリオン)の戦い」でダイン2世に殺される(「五軍の戦い」で息子のボルグが登場) 「アザヌルビザールの戦い」でトーリン・オーケンシールドに左腕を伐られるが生き延びる*